●『リング』/鈴木光司

 あまりにも有名になってしまったけれど、やっぱりものすごく怖い。
 私はベストセラーになる前に読んだのだけれど、最初から最後まで一気でした。そして読み終わったあとのあのきな臭い薄茶けた恐怖は、久しく味わったことのなかった感覚だった。あまりに恐ろしくて、友人に無理やり貸してしまった。(本は戻ってこない〜) 映画やTVドラマでは原作の恐ろしさは出せていない。到底、まったく及ばない。
 あなたはこの本を夜ひとりで読み通せますか?


●『墓地を見おろす家』/小池真理子

 自分でマンションを買った方、もしくはこれから買おうという方にはたまらない恐怖。
 動きたくても動けないジレンマを、「気のせい」で片付けようとする主人公一家の気持ちがよくお解りいただけると思う。死んだ小鳥、突然停止するエレベーター、風の吹く地下室。
 それでも恐怖が最高潮に達したとき、彼らは一刻も早くその「家」から脱出しようとする。手遅れでないことを祈りながら…。


●『砕けちった月』/ケイト・グリーン

 霊能者テレサが、タロットカードの絵のとおりに行われていく殺人事件に巻き込まれていく、ホラーというよりサスペンス小説。タロットカードや霊能者に興味がある人にはオススメの一冊。
 訳が上手いのか、絵がよく浮かぶので読みやすいです。その代わりコワイ殺人現場などもクリアにイメージできてしまう。
 とても面白いです。


●『ジュリアの館』/ピーター・ストラヴ

 少し心理サスペンスっぽいところがありますが、ホラーです。ただし、一度読んだ段階ではラストどうなったのかよく解らない。でも、少しずつ、ヒロインが恐怖のために追い詰められていく様は、古い洋館で迷子になったかのような恐怖をあなたに感じさせてくれるはずです。
 難解なホラー好きな人向け。


●『彼岸花』/長坂秀佳

 『弟切草』三部作のうちの二作目。
 京都、舞妓というモチーフが恐怖を呼ぶ。女三人京都旅行というのも親近感があり、心霊なのか、トリックなのか、ちょいごちゃまぜの感もあるけれども、十分怖いと思う。ほんとうにこれら七つのお寺を巡ってみたくなった。


●『ぼっけぇ、きょうてぇ』/岩井志麻子

 新着というには遅すぎる情報ですみません。でも、これは妙なリアルさがかな〜り怖いですぞ。岡山という土地の印象が変わりました。怖いところなんですねぇ。のんびりのほほんとしたところだと思っていました…。語り口調の文体を読んでいると、なんとなく一人芝居みたくできないかと大いに悩みました。とにかく短編ですので一度お読みください。